ユニットでリズム隊は打ち込みにしてライブする方たちがたまにいらっしゃいます。そういう方たちの音源はベタ打ち(ベロシティなどイジらないでただ打ってるだけ)の音源が多い…。もちろんテクノとかハウスとかリズム隊が無機質な音楽は良いと思います。そうではない生バンド系の音源です。
確かに一音一音イジってたら手間にはなりますがちゃんとイジった方が良いです。作曲も然り…。ではベタ打ちの音源はなぜいけないのでしょう?
ベタ打ちが駄目な理由
一番の理由としてベタ打ちだとやる気があるのかなって思われます。何かを伝えたくて曲を作っているんでしょうけど、手を抜くって何?って思います。そんな曲が人に伝わるのか疑問です。
ライブでやるなら打ち込みパートはなくても済むようなアレンジにするとか、お金を払ってでも弾いてもらった方が良いと思います。リズム隊なんか音的に一番目立ちますからね。
作曲なら色々な所にデモテープを送ると思いますが、ベタ打ちだとわかると、それだけで聞いてもらえません。作曲募集などに曲を送る人は沢山います。ちゃんとイジってる人とベタ打ちの曲、どちらを採用するでしょうか?いくら良い曲でも手を抜いてるとわかるようだと今後、仕事として任せられませんよね。
でも技術的にベタ打ちしか出来ないし、人を雇うお金はないよって方もいますよね。いくつか打ち込みで生ぽっく聞かせるテクニックを紹介したいと思います。
打ち込みで生ぽっく聞かせるテクニック
- リズムはズラすべし
- ベロシティは高低差をつけるべし
- 各楽器のテクニックを打ち込むべし
1.リズムはズラすべし
ベタ打ちするとジャストにリズムが入力されますが、リズムは必ずしもジャストがいいわけではありません。ちょっとした楽器同士のリズムのズレがゆらぎをうみ、心地良いリズムになったりします。
曲によってズラしかたが変わって来くるので、これとはハッキリとは言えませんが、簡単に言うとリズムをズラす事によって人が演奏してるのと同じ様な状況を作る事です。
またどれくらいズラすかですが、どのシーケンサーも大抵、4分音符=480という数字で表されます。テンポにもよりますが数字的には20位ズラすと良いかと思います。シーケンサーで言う20という数字は64分音符より小さい音符になります。あまり大きくズラすとそれはただリズムの悪い音源になってしまいますので注意して下さい。
4分音符 | 480 |
8分音符 | 240 |
16分音符 | 120 |
32分音符 | 60 |
64分音符 | 30 |
↑シーケンサーの音符と数字
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2.ベロシティは高低差をつけるべし
オールインワンシンセ(色々な音が入っているシンセ)などはベロシティによって鳴る音が違います。ベロシティが低いと弱く弾いたサンプリング音がベロシティが高いと強く弾いたサンプリング音が鳴ります。大体、一つの楽器の音に対して4段階あります。
なのでこれを利用しない手はないと思います。強調する音の時はベロシティをあげ、強く弾いたサンプリング音を鳴らす様にしたりします。楽器や音源によって違うのでそれは確認してみて下さい。
またドラムですが実際ドラムを叩いてみればわかると思いますが、ハイハットを刻んでいてスネアを同時に叩く時はハイハットの音も大きく鳴っています。つまりエイトビートなら2拍4拍の頭のハイハットは他の拍の場所よりベロシティを高く設定してあげるとより生ぽっくなります。
3.各楽器のテクニックを打ち込むべし
ドラムで言えばフラム(下記の音源参照)やゴーストノート、ベースなら弦のスライドやビブラート、ギターならチョーキングなど細かな各楽器の技が打ち込めるとより生ぽっくなります。
ベース、ギターのスライドは範囲が小さいスライドならピッチベンドで効果音的に使うならそのままスライド音の音をベース、ギターにかけてあるエフェクトにつないで鳴らせばオッケー。シンセのベース、ギターはラインの音なのでエフェクトかける前の音がスライド音と違っても、エフェクトかけてしまえば意外とわかりません。
1小節目のドラムフィル(一拍と三拍頭)と5小節目の3、4拍目頭の訛ったような音がフラムです。同じ太鼓を2つのスティックでほぼ同時(ちょっとだけずれてますが…)叩く技術です。リズム部分の小さくスネアが鳴っているのがゴーストノート。ノリを出すために細かく小さな音で叩く技術です。
やはり曲中で一番ドラムが目立つと思うので最初はドラムの技を研究するといいかと思います。これは好きなアーティストのCDなどを聞いて研究しましょう。
まとめ
こうやって見ると結構、打ち込みで作曲するのは大変です。しかし細部に渡って気を使わなければ評価なんてされるわけ無いと思います。まぁ、どんなに頑張っても生のバンド演奏にはやはり勝てないんですけどね…。だからベタ打ちなんてもってのほかです。
自分なんかはバンドのデモ音源でも細部までちゃんと作っていきます。そっちの方がよりバンドメンバーにも伝わるし作り込んでおけば後々、作曲募集の時に送れるしね。作り込んでおけば損する事はないかと思います。もしベタ打ちで作曲してる方、これからは細部までこだわって作曲していきましょう。
おまけ
バンドのデモ音源です。昔、自分がやってるバンドには和太鼓がいました。和太鼓を西洋音楽に合わせたらどうなるかっていうコンセプトで作った曲です。残念ながら和太鼓が抜けてしまったので今では生でやる事はなくなってしまいました。
ベースやギターのスライド音など入っているので参考にしてみて下さい。因みに鍵盤以外は全て打ち込みです。
サウンドハウス