デジタルシンセ、あるいはステージピアノ等は何にもしなければ最初からエフェクトが掛かった状態で音がでます。よくライブで鍵盤のいる対バンを見ると大体、プリセット音を使っていて空間系のエフェクトを調整していないのをよく聞きます。
生楽器系の音はサンプリングされた音なのでパラメータをいじって音を作り直す必要はないですが、エフェクトの調整は状況に応じて調整する必要があります。今回はシンセのプリセットエフェクトについてのお話になります。
切ってはいけないエフェクト
まずシンセには切ってはいけないエフェクトがあります。それは音を構成しているエフェクト。例えばフランジャーのジェット音がキモになっている音などは外してしまうとその音を使う意味がないですよね。他にもEQエフェクトである帯域を強調しているものなどは切ってしまうと音自体が変わってしまいます。
もちろんエフェクトの掛かり具合を調整したり、あえてエフェクト切った音を使いたいなら切っても良いと思います。ただエフェクト自体を切ってしまうと音が変わってしまう音はなるべく切らない様にしましょう。
ライブ時のエフェクトの調整
ライブ時はライブハウスという残響空間があります。その残響空間があるのにもかかわらず、エフェクトで残響空間を作り出すのはナンセンス。生ピアノでない限り、鍵盤はライン出力でスピーカーで音を出す事になると思います。残響空間込の音をスピーカーで残響空間に出す…。おかしいですよね。
ですのでライブではリバーブ等の空間系エフェクトは切ってしまうか少しだけ入れる様にしましょう。少しだけエフェクトを入れる考え方として生ピアノの場合を考えてみましょう。生ピアノは箱(共鳴板)にマイクを向けて集音します。箱内でも残響はあります。その残響を表現する為に少しリバーブを足すという考えです。
余談ですが空間系のエフェクトは音が伸びて聞こえる事により、演奏が上手く聞こえる効果があります。なのでエフェクトを掛けていると弾けているように聞こえてもエフェクト切るとちゃんと弾けてないなんて事がよくあります。練習する時は空間系のエフェクトは切って練習する事をオススメします。
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レコーディング時のエフェクト調整
レコーディングは空間系エフェクトは切って録る事をオススメします。その理由として後からならいくらでも足せるからです。仮に空間系エフェクトを入れてレコーディングした場合、他の楽器とのエフェクトの調整が録った音基準になる為ミックスが難しくなります。また空間系エフェクトを深く掛けて録ってしまった場合、後で薄くする事は出来ません。
この辺はレコーディングスタジオでレコーディングするなら鍵盤の最低限の知識かと思います。エンジニアの方はプロなので黙って仕事をしてくれるかも知れませんが、エフェクトを掛け取りして掛け過ぎてしまった場合は取り直す以外どうにもなりません。なので鍵盤はレコーディングスタジオでレコーディングする場合、空間系エフェクトを切ると覚えておきましょう。
また宅録ならシンセはmidiで録る事をオススメします。midi=演奏データを先に録ってしまう事で、後でゆっくり音作りをするなんてことが出来ます。レコーディングスタジオでも出来なくはないですが時間がかかる為、最初から音を作って行き一発録りが無難です(時間がかかる=スタジオ代がかかる為)
まとめ
オールインワンシンセのプリセットエフェクトはそのまま弾いて音が綺麗に聞こえる様に掛かっています。電子音系等はエフェクトを外すと大体、音が細くなりしょぼくなります。いかにエフェクトで誤魔化してるかと言うことです。
なので電子音系は音を作り直し、バンドの中でも抜ける音を作るのが肝心です。生楽器系は上記にも書きましたがサンプリング音なのでいじる必要はありません。ですが基本、空間系エフェクトは切るか少しだけ足すというのがセオリーです。
実際の楽器を考えて下さい。楽器内の残響はあっても作られた空間残響を音として出せませんよね。生楽器系の音はどれだけ本物に近づけるかだと思います。音作りから奏法、音域など知識が要求されます。それは勉強するとして最低限、プリセットエフェクトはいじりましょう。
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