シンセサイザーにも色々と種類があります。大体、ライブで対バンを見ているとデジタルシンセが多いですね…。確かに色々な音が出せるデジタルシンセはバンドでのアンサンブルを考えると効率的で良いのですが、サンプリング音なので個人的には納得出来ない音も多いです。
またプリセット音をそのまま使っている人も多い。少なくとも空間エフェクトの調整はすべきです。その辺は過去記事で書いてるのでそちらをご覧下さい。今回はシンセサイザーの種類のご紹介です。
【音楽ブログ】プリセットエフェクトは調整すべき!!
シンセサイザーの種類
1.デジタルシンセ
恐らくキーボーディストなら最初に買うのがこれになると思います。色々な楽器のサンプリング音やシーケンサーなどが入った所謂、オールインワンシンセです。これ1台あればシーケンサーがついてるので曲の作成まで出来てしまう万能なシンセです。
デメリットとして上記でも書きましたがサンプリング音なのでどんなに頑張っても本物の楽器の音には勝てないという所…。それでも最近のモノは生楽器に近い音がなりますけどね。
日本の有名楽器メーカーは3つ。「YAMAHA」「Roland」「KORG」でそれぞれのデジタルシンセには特徴があります。
○YAMAHA
MONTAGE8 by サウンドハウス
YAMAHAは現在「MONTAGE」と言うオールインワンです。ひょっとしたら「MOTIF」と言う名前の方が有名かも知れません。個人的にはYAMAHAの製品はあまり触ったことが無いので情報が少ないのですが、やはり生楽器を作っているだけあってピアノ系のサンプリン音は良い様に感じます。またピッチベンドとモジュレーションがホイール型なのも特徴的です。
○Roland
FA-08 by サウンドハウス
Rolandは「FANTOM」と言うオールインワンシンセです。現在、名称は「FA」と略されている様です。自分も古い型ですがこれを使ってます。自分で使用してるだけあって不満が結構あります(笑)Rolandは生楽器でアコーディオンや電子ドラムを作っているのでそのサンプリング音は良いと思いますが、他の音は他社に負けている感じがします。全体的に音が高音よりだと思います。
またRolandは「D-BEAM」と言うものがあり手をかざしてコントローラーに近づけたり遠ざけたりすることで、フィルターの開け閉めなどが出来るのですが個人的にはあまり使わないです。テクノとかの電子系の音楽をやってる方には良いかも知れません。
ピッチベンドはレバー式で奥に倒せばモジュレーションがかかります。但し手前側には倒せません。内蔵エフェクトも1つの音に対して3つしか付けられない等(自分が使っているモデルは…)と散々言いましたが、ずっと使っているので愛着があります。またエクスパッションボードというものがあり、音源が追加出来るのですがRolandは種類が多いのも良い点かと思います。特にドラムはそのまま使える位のものが多いです。
○KORG
KRONO2 88 by サウンドハウス
KORGのオールインワンシンセは現在「KRONOS」シリーズとなっています。自分が使用してた時は「TRITON」と言うシリーズでした。KORGはオルガン系の音は良いと思います。ピアノの音も個人的には好みです。電子音系は太く抜ける音と評判が良く、Lead系はよく使ってました。
ピッチベンドはレバー式でRolandと同じく奥に倒すとモジュレーション。手前にも倒すことができ、そこにワウなどエフェクトをアサインしておくと、手前に倒す事によりワウが掛けられるという使用。個人的にはかなり便利でした。またリボンコントローラーがついてるので演奏の幅が広がります。バリバリ演奏する人はコントローラーが多いので良いシンセかと思います。
2.アナログモデリングシンセ
アナログモデリングシンセはアナログシンセの音をサンプリングする事でデジタル化し、その音を加工して音を作るシンセです。なのでカテゴリー的にはデジタルシンセでもあります。オールインワンシンセと比べるとツマミが多いのが特徴です。アナログシンセだとエフェクトが付いてないですがこちらはデジタルシンセですので付いているモノが多いです。当然アナログシンセをサンプリングしてるので生楽器音はありません。電子音だけのシンセになります。
なのでオールインワンシンセやアナログシンセと比べると比較的価格も安いです。ですがやはりアナログシンセと音を比べるとデジタル臭さがあり温かみに欠けた音になります。「アナログシンセは高くて買えないけどアナログ感は欲しい」って方にはオススメのシンセかと思います。
NORD LEAD 4 by サウンドハウス
有名どこだと「NORD」が有名ですがこちらは外国からの輸入で関税が掛かり高いです。またシンセにしては比較的軽く、長さも無いので持っている人が非常に多い…。なので自分は買う事はないですね(笑)
microKORG by サウンドハウス
それにかかわらずアナログ「モデリング」シンセなんでだったらちょっとお金出してアナログシンセ買った方が良い様に思えます。まぁ、「microKORG」など安くて良い音が出るモノもあるんですけどね…。
3.アナログシンセ
アナログシンセはシンセに入ってきた電気(電圧)をコントロールする事によって音にし、その音を加工する事によって様々な音を作るシンセです。デジタルシンセみたいに録音されデジタル化されたサンプリングを鳴らすのではなくて、シンセ自体で音を作って出すのがアナログシンセです。なのでデジタルにはない温かみのある音が出せるのが良い点です。
しかしやはりシンセの構造的には複雑になる為、より高価なモノになります。近年出ているアナログシンセは大丈夫なのですが、昔のモノはシンセが温まるまで音程が不安定だったり、湿気ですぐ壊れてしまいます。脆い分、今の技術では再現出来ない構造だったりするのでその音はそのシンセでは出せなかったりします。そういったモノはプレミアが付きやたら高価だったりします。大体、40~50万前後です。
上記で言った通りエフェクトは付いてません。外付けのエフェクトが必要です。但し中低域が多めに出でいる為か空間系のエフェクトのノリは最高です。またさらにモノシンセとポリシンセに分かれ、モノシンセは単音しか出ませんが非常に分厚い音が鳴り、ポリシンセは和音が弾くことの出来るアナログシンセになります。
有名どこだと「moog」シリーズや「Prophet」シリーズなどですがどちらも昔のモノはかなり高価です。「moog」が主にモノシンセ(ポリシンセもありますが)「Prophet」がポリシンセの有名なアナログシンセになります。
現実的に買えそう(自分が持っている)なモノで言うと、「moog Subsequent37」や「Prophet'08 PE」は20万前後で買えるモノとなってます。
moog Subsequent37 by サウンドハウス
「moog Subsequent37」は2音まで同時に音が出せますがあまり使わないですね。単音にして分厚いLead音で使う事が多いです。昔のモノと比べるとやはり音の温かみが若干薄い印象です。
Prophet'08 PE by サウンドハウス
「Prophet'08 PE」は8音まで同時に音が出せるポリシンセです。Lead音も出せますが「moog」には音の分厚さは負けます。ですので主にシンセpad系の音にして使用する事が多いです。
4.モジュラーシンセ
モジュラーシンセはアナログシンセにある電気を音に変える部分(オシレーター)、音を加工する部分(フィルター)、音の音量をコントロールする部分(アンプ)などがバラバラに販売されており、それをパッチケーブルという線で繋げて作るアナログシンセです。各部分を線で繋げて作るので別メーカーのモノも繋げる事も可能。
WALDORF nw 1 ウェーブテーブルオシレータ
by サウンドハウス
ですので自分好みのアナログシンセが作れてしまうのですが個人的には正直、面倒臭いかな…と思います。各部分を繋げる為に知識も必要になってくるし何より「moog」などのアナログシンセはそれだけで存在感のある音が鳴ってくれます。また「moog」はモジュラーシンセの各部分を繋ぐことも可能なので「moog」で充分な気がします。
っと言っても自分はバーチャルでしか触った事がないので何とも言えませんが、とことん自分の音を追求する方やテクノなどの電子系の音楽をやってる方には良いシンセかと思います。
まとめ
シンセサイザーには大きく分けて、それぞれの楽器の音を録音しデジタル化して鳴らすデジタルシンセとシンセ自体で電気を音に変えて鳴らすアナログシンセの2つあります。個人的にはどちらも必需品です。
現代の音楽では色々な音が出せた方が効率が良かったりするので充分デジタルシンセで事足りますが、アナログシンセの音はデジタルシンセでは決して出せません。そこに魅力を感じます。
また音楽やってる方は憧れでアナログシンセを買う事が多いと思います。自分もそのクチです。「ELP」のキース・エマーソンに憧れて自分も「moog」のシンセと「korg」のオルガンを買いました。自己満足って言ってしまえばそうかも知れませんが、ホントに良い音が鳴るのです。是非、キーボーディストはデジタルシンセだけでなく、一家に1台アナログシンセを買いましょう。
サウンドハウス