現代音楽においてコードが重要視されて作曲されています。コードを弾くだけでその曲の雰囲気がわかるのでとても便利なモノです。コードは音の積み重ね方で色々な響きを出します。そう言った意味では「縦」を重視した考え方です。
それと対照的なのが「対位法」で複数の独立した旋律が調和(ハモり)しながら流れる様に作る考え方です。なので「横」を重視した考え方なんてよく紹介されますが個人的な意見言わせてもらうなら「縦+横」の考え方だと思います。主旋律に対して全てハモるワケではありませんが、ハモりも考えながら独立した旋律を考えるので「縦+横」なのです。
ですのでコード進行を考えながらハモりを考えると比較的、容易に作っていけます。コードの何度でハモるのかある程度、指針がつくからです。協和する音程は決まっています。
対旋律を作るルール付け
1.協和する音程
- ユニゾン(完全1度)
- 3度
- 完全5度
- 6度
- 1オクターブ(完全8度)
- 10度(1オクターブ上の3度)
2.強拍(1拍目、3拍目)は協和する音程を使用する
3.同じ協和音程はあまり続けて使用しない
4.不協和音程にいったら必ず協和音程に戻る
5.主旋律とは出来るだけ反対の動きにする
(主旋律の音程が下がるメロディーなら対旋律は音程があがるメロディーにする)
クラシックなどではもっと厳密なルールがありますが、ルールに縛られると新しいモノが出来なくなってきます。ですのでポピュラー音楽では上記のモノは絶対ではありません。あくまで参考程度に思って作った方が良いかと思います。ただ全くゼロから作るよりかはルールがあった方が作り易いと思います。
対位法はあくまでハモリながら複数の旋律を作る方法です。なので全てが主旋律と言っても過言ではないです。そこが現代音楽の作曲手法(和声法)とは違う所になります。
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対位法の活用
オーケストレーションやウインドアンサンブルなどではよく活用される対位法ですがコードで考える現代音楽ではどの様に活用すれば良いのでしょうか?いくつかの例をあげて紹介したいと思います。
1.メロデイックなベースライン
ロックの様なコードルートをずっと弾いているベースではなく、フュージョンなどのベースラインがよく動く場合、主旋律に対しての対旋律を意識してラインを作ったりします。基本的には「ルール・5」の主旋律に対して反対に動く事を意識して作ると良いでしょう。あくまでベースなのでノリやコード感を保ちつつ作るのがミソ。
2.主旋律のハモり
メロディーに対するハモりを考える時も対位法を活用して作ったりします。単純に全て3度や6度のハモりなどでは音によっては気持ち悪い(ハモりがアボイドノートになる等)場合や味気ない場合などは対旋律を作ってやる事で雰囲気を変える事が出来ます。
どちらと言うとずっと3度、6度のハモりはロックよりの考え方です。主旋律と同じリズムで動くのでハモりパートもわかりやすく、主旋律をより強調できる手法です。
またハモりは主旋律の下に作ります。人間の耳はどうしても高い音を先に拾うので上にハモりを作るとそちらが目立ちます。どうしても上に作る場合は対旋律として対位法を使って作るのが無難だと思います。
対旋律ハモりの音源は主旋律に対してのハモりを意識して作りましたが全く別の対旋律(主旋律とは別のリズム)で作るのもありです。対旋律ハモりは上記の3度ハモりと比べると主旋律を強調する力は弱いです。
なので個人的に現代音楽においてはサビには向かない手法かと思います。楽器の音域上、どうしても上にハモりを作る時や無伴奏パートなどで使うと効果的です。
3.裏メロ(カウンターメロディー)
所謂、合いの手です。別名オブリガートなどとも言います。主旋律を引き立たせる為に主旋律の合間に入れる独立したメロディーです。なのでハモりとは違い主旋律に対して音価(音の長さ)が長くゆったりしたリズムになります。
まとめ
上記でも書きましたが対位法はコード進行を意識して対旋律を作ると意外と簡単に出来ると思います。協和する音程は決まっているのであとはリズムだけですね…。そのリズムも主旋律のリズムを対旋律に使う事で曲にまとまりが出来ます。
自分も「対位法」についてはしっかり勉強した訳ではありませんがオーケストレーションなどをしないのであれば勉強も必要ないかと思います。ある程度のルールがわかればあとはセンスで意外と作れてしまうモノです。(ちゃんと勉強した人からすればなってないって言われそうですが…)
対位法で作る時に大事なのがそれぞれの旋律がちゃんと歌える旋律でありかつ同時に流して調和(ハモっている)してるかが重要です。協和音程も決まっているので自分から言わせればパズルをしている様な感覚です。難しく考えず上記の事に注意すれば必ず出来るものだと思います。やはりたくさん曲を聞いたり、作ったりして感覚やセンスを磨くのが1番早く習得出来るのではないかと思います。
おまけ
昔、試しに作った3声のストリングスアンサンブルです。ある程度の知識があればこの程度は作れます。参考までに…。