バンド全体で考えていない人が結構、多いんですよね。恐らく自分の楽器の事しか考えてないんでしょう…。バンドはアンサンブルなので他のメンバーの事も考えて弾かなくてなりません。同じコード弾くにしても他の楽器の音域を考えて弾かないとぶつかってしまいます。
音域の選定は鍵盤が一番求められると思います。何故なら楽器の中で音域が一番広いから…。なので必然的にバンド全体の事を考えるのも鍵盤がやる事が多いです。ではどういう所に注意すべきか紹介したいと思います。
アンサンブルを考える時の注意点
- 音域
- リズム
- 和音(コード)
1.音域
上記にも書きましたが鍵盤は楽器の中で一番、音域の広い楽器です。なのでどんな楽器の音域に対しても対応は可能です。ただ注意したいのはオールインワンシンセ等の色んな音が出る鍵盤は、音色によってはオクターブがずれてる可能性があります。
例えばオルガンはドローバーの設定によっては普通より1オクターブ下になります。どの設定でサンプリングされてるか確認してその音を使う必要があります(まぁ、聞けばオクターブが下がってるのはわかると思いますが…)
またシンセに入っている生楽器系の音は生楽器の演奏では出せない音も弾くことが出来ます。これはサンプリングした音の音程を機械的を上げているためです。それを良しとするか無しとするかは人それぞれですが、個人的には生楽器で出ない音は使えない印象です。
2.リズム
リズムのちょっとしたニュアンスはバンド全体で合わせないとカッコ悪いです。例えば4分音符等の長い目の音は拍いっぱいまで伸ばすのか、拍前で音を切るのか…。逆に言えばピチッとバンド全体のリズムが合えばそれはそれはカッコ良いです。まさにバンドって感じです。
また曲のノリはバンド全員が同じに感じてないといけません。この曲は8ビートなのか16ビートなのかシャッフルなのかスイングなのか…。同じノリを感じてないとリズムがズレてきます。
ニュアンスやノリに関しては作曲した本人に聞くのが一番良いかと思います。
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3.和音(コード)
これが一番考えてないように思えます。例えば下記の様なコード進行があったとします。
・Em-G-F#m-B7
4コード目だけ4和音ですよね。鍵盤が白玉(全音符や二分音符)で弾く場合、そのまま弾くと「B7」の部分だけ分厚くなってしまいます。こういう時は「B7」の構成音のルートB音をベースに任せてD#、F#、Aだけの和音で弾くと分厚くならないです。
ハードロックなどではギターはパワーコード(rootと5度)で弾くことが多いので、そのコードがメジャーなのかマイナーなのかわからない事があります。その時は鍵盤で3度入りのコードを弾いてコード感を出すことになります。勿論、曲によっては3度がない方がいい場合もあるのでその辺も作曲した人に確認した方が良いでしょう。
結論を言うと全ての楽器で一つのコードをどう弾くかを考えると言うことです。ギターコードのトップノートと鍵盤のコードの一番下がぶつかるようなら、違う展開形にするとか、曲が重くならない様にうわモノのコードはroot音を抜くとか、また逆にワザと鍵盤の左手でベース音を弾いて低音に厚みを出すとか…。曲によってコードの弾き方も考えましょう。
まとめ
鍵盤はアンサンブルの調整役的な所があります。ギターのバッキングだけだとコード感が足りなかったりするので、鍵盤でコードを足したりします。鍵盤がメインの曲か余程、他の楽器が奇抜な弾き方をしてない限り、音域の広い鍵盤が調整役となります。
なので曲の雰囲気や空気を読む力も鍵盤は重要です。バンドでは縁の下の力持ち的な気持ちで望むと良いかと思います。それを面白いと思うか、損な役回りだと思うかは人それぞれですが、個人的にはその辺が鍵盤の面白いところだと思ってます。
サウンドハウス